仕事で人に教えるということ
ペアプロ/モブプロ、レビュー、その他。チームで仕事をしていると「教える機会」は多い。 教えるにはただ(技術的な)知識があるだけでは難しく、「教えるテクニック」が必要となる。
自分が普段人に教える時に考えていることをつらつらと書いてみる。
人に教える時に考えていること
人にさせたい時は、まず理由で納得させる
モブワークで画面共有係に操作を教えるとする。 単に「この箇所を押してください」とか「〜〜〜という文章を書いてください」と言っても伝わりづらい。 「このような操作をしたいです。なのでこのボタンを押してください」のように、「実現したいこと」を前置きで伝えてみる。すると非常に伝わりやすくなる。 画面共有係視点でいくと、「実現したいこと」→「操作」の過程を脳内で再現できたり、そもそも「この操作でこれができる」ことを知っていれば、「実現したいこと」から計算できたりする。なのでやりたいことを伝えるのは大事。
概要を伝え、道筋を見せ、段階的に教える
教える内容がステップがある場合の話。 ただ段階的に教えるのでは理解がしづらい。「ステップ1はこう」「ステップ2はこう」「ステップ3はこう」と言っていくとひとまず最終地点には到達するのだが、「ステップ1」の時点で何をやっているかは教わる側がわからなくなる。
「全体でこのような目標を達成したいです」と概要を伝えて、「3段階あって、ステップ1の概要はこうで・・・」とどのような道筋を辿るかを教えて、その後最初のステップに移る。 先の項目とも共通するが、結局は教わる側の脳内でイメージさせやすくするのがいい。
また、ステップごとに確認を設けるのもいい。「ステップ1はここで終わりだけど、ここまでOK?」などと言ってみて、適宜疑問点を解消していく。次のステップに存分に臨むためでもあるし、疑問点があるままでは納得がしづらい。
難しい物事に立ち向かう場合、間違いを恐れない
チームの取り決めにもよるが、基本そう取り決めた方がいいと思う。
ペアプロしている時に、何も自分のわかる範囲だけが降ってくるわけではない。それはそう、仕事は難しいので。 自分の場合、「一旦こうだと思うので、これを試してもらえませんか?」みたいなことを言うし、もし推測が間違っていれば「こういう理由で違いましたね〜すいません」といってカジュアルに訂正している。
技術の世界だとどうしても試行錯誤が必要になるので、「間違いを教えてはいけない」というマインドはマイナスになりがち。恐れずに伝えてみて、何回でも間違っていいと思う。
現在の教わる側の状況把握をする
状況の把握をして、その状況に応じて教え方を変えていくのも大事。 ちなみにこの項目はむずい。
モブプロ想定だが、「この部分ってこうですか?」と質問されたとして、そのまま「はいそうです」と答えるのが正解なことはあまりない。 発言から「この質問をしたということは、このようなロジックで考えていそう」「このような背景知識が足りなさそう」「であれば、この概念の導入が必要」とできれば効果が高い。この論理に辿り着くまでにいくつか質問していって確実性を高めてもよい。
先の段階的な教え方についても、教えてる最中に「現在の教わる側の知っていること」を考えつつ組み立て直したりするとより効果的。 「教えようとしてうまくいかないなら、もう少しブレイクダウンして教える」を自然にできるとよい。
教える対象は会議にも及ぶ
日々の会議の目的とかもどんどん伝えていこう。
デイリースクラムなどのファシリをしている時に、各アジェンダの説明をできるようになっておく。 そうすることで、参加者は参加する意義を持ちやすくなるし、属人化も防げる。説明できないアジェンダや、意味を見出せないアジェンダも出てくると思うので、そこの改善をすることで会議の最適化にもつながる。
デイリーでの情報伝達とかも「うまく教えること」が必要で、考えてみると「教える機会」は多い。
そもそもの言語化を大事にする
結局、口頭で教えるにしろ文章で教えるにしろ、教えるには言語に落とし込む必要がある。 特に口頭で教える時は、その場で概念を言語化するのは難しいので、事前にその概念の言語化方法を考えておく必要がある。
これはすぐにはできないので、習慣的に各概念をどう言語化するかを考えておく重要性が高い。